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古本屋女房の本とこどもとしっちゃかめっちゃか


by epsilongstocking

だいたいいつもこんなかんじ。

「エマ」読んだ。
漫画の。大流行したやつ。
毎度ながら、買取で入荷したので。

もっと早く出会うべきでした・・・っ!
ひさびさに、漫画家で「おおお。」と思った作家。
森薫、巷でもすごく評価高いっすね。
この人はでも、ガチですごいな。
商業誌デビュー作でいきなり「エマ」連載とかwikiに書いてあるけどホントなんですか?
漫画っていう、コマ割で表現するやり方を
こんなにも考えている新人がいるのか(もう新人じゃないか)!?
ずば抜けた才能。
私の心の「巧い人」ランキングでいま、杉浦日向子を抜いたかもしれない。
松本太陽も抜いたかもしれない。
浦澤直樹と並んでいるかもしれない。
4コマがまた巧い。
いしいひさいちもビックリかもしれない。
「ぼのぼの」と並んだかもしれない。
プロフィール見たら同い年だった。ひゃー。

でもついこの前まで、横山秀夫の「クライマーズ・ハイ」を読んでいたんス。
しかし3分の1を残して挫折。
いつもの悪い癖が出ました。
どうも読みかけの本を「寝かせ」てしまうのね私ったら。

若干理屈っぽさが臭う文章が好きになれないけど、
しかしこの筆力は、さすが話題の一冊。
映画流行っていたときには全然触手が動かなかったのだけど。
日航機墜落事故のとき、わたし小学校1年。
記憶にうっすら残っている。
坂本九氏が亡くなったとか、助かった少女の映像とか、
TVで見た覚えがある。
でもその時、チビだった私にとって実感と呼べるものはなかったし、
痛みを感じるような強い感情はわかなかった。

それがこの小説で、いま現実に事故が起こったかのような
痛烈な、悲しみとか悔しさとか怒りとか、
冷めた気持ちで読んでいたつもりが
いつの間にか強い負の感情の虜になってしまっていた。
物語は実際の事故を再現したものでなく、
事故が起こった後の、
しかも現場でなくて新聞社の社屋内で展開しているのに、
事故を伝える作中の新聞記事に胸がえぐられて、
思わず落涙する。
フィクション(厳密なフィクションではないけど)の中のまた新聞記事というフィクション、
2重窓に隔てられた向こうのノンフィクションが
こっちに切り付けてくる。
なんっじゃこりゃ!
そしてあんまりにも胃にもたれたのと
一呼吸起きたくなったのとで、
寝かせちゃいました。
その間に「エマ」を見て、心がさらわれたのでした。

私の周囲で全く話題に上らなかったし、
正直「メイドっすかー・・・。(そこはべつに・・・)」。
だったので、完全にスルーしていたのだけど、
周りに回し読みさせて流行らせて、
みんなで悶えたい・・・。
新作の「乙嫁語り」もこうなりゃ読んでみたい。
あと「エマビクトリアンガイド」も読んでみたい。
というかもう欲しいかも。
買っちゃうのかも私もしかしたらアマゾンとかで。

全くいまさらなんだけども、
だいたいいつもこんなかんじ。
by epsilongstocking | 2011-05-04 19:59